コスモゼロの系統振り分け
1/350宇宙戦艦ヤマト付属 コスモゼロ'98 及び コスモゼロ'98 設定デザイン
1/100 EXモデル コスモゼロ 及び 当該のデジタルデータ
宇宙戦艦ヤマト2199 コスモゼロ 設定デザイン
外形の確定しているコスモゼロは、模型・画稿取り混ぜて手持ちのモノはこれだけ。
以上の7点をデザインフォーマットで区別し、二系統に振り分ける。
左側はデザインライン表現のコスモゼロ。
上から設定デザイン・コスモゼロ'98・自作1/72。
右側は正解ラインで構成されたコスモゼロ。
上からディスプレイモデル・1/350付属・EXモデル・2199版
正解ラインとは生産性優位の安定形状のことで、正解認識に直結する概念でもある。
逆にデザインラインは正解認識とは無関係で、判断基準も確立されていない概念。(現物が存在しないので当然といえば当然だけど...)
これは、同じ価値観で比較するのが適性な系統に振り分けたモノ。
デザインの優劣を同じ目線で論考しないための応急措置くらいに考えてもらえれば結構。
コスモゼロ立体化の方法論から工程へ
正解ラインでコスモゼロを構成する
一般的に正解認識されるために必要な立体化の方法は、
パーツ個々の面構成を安定させ、中心軸から放射状に空間をレイアウト、軸線に対して対称・均等に設計すること。
およそ外形が同心円の中に納まるイメージを想像してほしい。
模型としての生産性が主眼になるモノなので、実機目線と混同しないように。
工程自体は、設計案をベースにパーツを分割して個別に成型して組み立てる、という
ごく一般的な方法がやはり最適だし、それに関してダメ出しすることは特に無い。
彩色・可動・電装など、幅広いオプションを盛り込む素材としても優秀だしね。
旧ディスプレイモデルをサンプルに、立体化方法論の概念を上書きしたモノ。
設計先行の外形構築によって、無理のない完成形となっている。
本体が中心軸線に対称に造形されていることで、機体構成パーツの位置関係がソートされている。
見た目は異なるけど、立体化されているコスモゼロはデザインフォーマットとしては同一である。
デザインラインでコスモゼロを切り抜く
正解ライン造形法では、軸線の通らない非同心円型の機体形状となる(デザイン上の)コスモゼロは製作不可能。
マニュアル通り、あるいは既製形状に収まるパーツはほとんど成型できないし、左右対称は絶対に取れないので、
おそらく過酷な継ぎ目処理に追われた上に、妥協点だらけの完成形になってしまうはず。(これもヤマトで経験済み)
しかも、その違和感を自覚しようにも到達点(完成形イメージ)が一本化されないため、確信の持てない製作過程になるだろうね。
同様の理由で3DCGによる造形も不可能である。
デザインラインを造形するに当たって、自分の経験を元に有効な方法を言わせてもらうなら、”一体成型”で着手すべきと思う。
設定デザインを形にするには、デザインの過程に相当する作業を、造形で追跡するのが妥当だ。
三面図通りに切り出した塊をデザインラインに合わせて削り出す。
大変な手間の掛かるやり方だけど、現時点ではコレしかないんじゃないかな...
実際に一体成型で製作したのがこの1/72コスモゼロ。
方法論自体にこちらが理解を求めるのは筋違いだと思うので、実際の感覚は自力で確かめてほしい。
とは言ってもきっと誰もやらないだろうから、引き続き考察を。
デザインラインを立体造形に反映するのは難しいことではないが、
ツールやソフトは製作の役に立たず、完成品に対してオプションの加算が困難。
根本的に商品開発に向かないモノなのである。
決してクリエイターの感性が低下しているワケでも、センスが悪いわけでもなく、
製作上のアドバンテージも世に出すメリットも何も無いことが、デザインラインの反映されない原因であり、
現物が存在しない理由と言えるかもしれない。そして...
このことは、ヤマトだけに限ったことではない、ことも付け加えよう。
デザインラインとは何か?
コスモゼロ設定デザインとディスプレイモデルの比較
イメージの優劣を比較するモノではないので誤解のないように。
また、この一点に限らず、意味合いは同じ系統に振り分けた他の既製コスモゼロにも該当する。
コスモゼロのデザイン上のイメージと見た目にはかなりのギャップがあるものの、
立体の論理的整合性で考えれば、三面図通りに設計されているこのモデルは、誰の視点からも正しい形だと言える。
正解ラインによる立体化の工程からは、”デザイン画に見える”形状を出す通念が根付いていることには、理解があることと思う。
デザイン画に示されている”描線”の造形への反映は、感覚的にはデザイン画通りに立体化する解釈となるが、
結果論としてはデザイン画通りの立体化を意味しない。
記号的な完成形はデザイン画と同一でありながら、イメージの共通認識は分裂する。
立体モノのデザイン画を描くことと立体造形をデッサンすることは異なる概念での作画だけど、
デザイン画通りに立体化することと立体が画稿のイメージ通りであることは、ソレと同じレベルで非共通概念だということだ。
コスモゼロ設定デザインと自作1/72モデルの比較
同じ三面図による設計でも、デザインラインを反映した場合の外観は、ディスプレイモデルとは明確に違う。
かといってデザイン画稿とも同じビジュアルにはならないけど、
1/72モデルをデッサンすると、設定デザインのコスモゼロが描けるのだ。
なお、ディスプレイモデルをデッサンすると、当然デザイン画稿と同じ絵にはならない。
デザイン画の描線で構成された二次元の統一規格(一本化されたデザイン)は立体造形による表現が可能なことを個人的に確認している。
写真では詳細は伝わらないかもしれないけど、見た目よりデザイン画イメージとは異質な形状をしている。
(正解ライン造形法は名目上デザイン通りの立体化であるのに対し、こちらはデザイン通りの造形とは認識されないように思う)
ただ、完成したモノは三次元での統合イメージとなり、デッサン(トレス不可)することでデザイン画に変換できる特徴を持つ。
つまり、正解ラインの踏襲は無く、二次元・三次元の両イメージはイコールとなるのである。
デザインラインの意味するところは、メカデザインとストレート立体造形のイコール。
”二次元と三次元の間で相互に直接変換できる状態にあるメカデザインの外形”のこと。
ストレート立体化という言葉を通念とは違う意味で使用しているため、これだけでは誤解曲解を招くだけなんだけど、
こちらからコレ以上の説明は無理。
ストレート立体化を実践すると、この得体のしれない構造はすぐ把握できるので、
解説に長けた絵・造形両刀の人物のサポートが欲しいところだね。
一応、メカデザインと立体造形の関係を自力で確認したことを根拠としていることは本当。
でもそれだけでは、このお話はただのブラスタルゴ流フィクションで終わってしまう。
自分とは何の関係もない人物が同じことに取り組んでも同じ結果が出ることが、自分の知らないどこかで達成されている、
それがこのページの内容を証明する唯一の条件。
自分はストレート立体化モデルはあっても構わないし、あるなら欲しいと考えているだけ。
元が実在するワケじゃないんだから、リアル目線でもSF目線でも価値観自体は既製品と似たようなモノだろうし。
現行のメカデザインや立体造形・商品アイテムの洗練、解釈の進展などを否定する立場には立っていないからね。
メカがカッコ良くなることについては何も異論はない、欲しいモノが出ればただひたすら買う。
そこらへんは、ただのオタクなんで夜露死苦。
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