宇宙戦艦ヤマト2199のモデリングを展開する
このページは研究の本筋とは関係ない番外編。
宇宙戦艦ヤマト最初で最後のリメイク作品(?)、[宇宙戦艦ヤマト2199]版のヤマトを展開していく。
まずは、ヤマト2199メカデザインのルーツと経過。
DVD特典1/700スケール宇宙戦艦ヤマト 二面図
ヤマト立体造形としては最高の正解認識を集めるDVD特典1/700モデル。
宇宙戦艦ヤマト一作目をリメイクするなら第一候補どころか、普通ならこれで決定だと思われる。
しかし、同じモデルデータを商品化できない事情を抱えている以上、コレに代わるヤマトが必要となる。
宇宙戦艦ヤマト旧設定 比較図
DVD特典モデルのプラスイメージを維持し、それとは異なる完成形となる一作目の設定デザインに準拠したモデル。
そのデザインフォーマットが、このドメル円盤型旗艦自爆シーン作画用指定でスケッチされた側面形ヤマト。
330mという全長数値にも一定のメリットを見出し、資産の改造が進められたようだ。
しかし大変簡略されたスケッチであり、実質的にはガイドとして使用されただけだと思われる。
また、新1/500プラモデルの「旧作デザインの再検証立体化」という触れ込みは、決してデタラメではないワケだ。
リメイク宇宙戦艦ヤマト モデルデータ@
コレが当初列挙された条件面をほぼ達成したモデルデータ。
部分的に1/350モデルのパーツを流用したこと以外は、
この段階で想定される外観に目立った違いはないように見受けられる。
ヤマトはさらにここからデザイナーの見解を基準に修正されることに。
リメイク宇宙戦艦ヤマト 修正案合成
・艦底部のボリュームおよびブルワークのアウトラインを一律でトリム。
形状改変に関する主旨はほぼこういう内容で、発注側と受注側どちらの要求にウエイトがあるかは微妙なところもあるけど、 |
リメイク宇宙戦艦ヤマト 修正案
修正後のイメージはこのようになり、三次元スケール比は公式設定数値の265×34×77mにまとめられ、
ヤマト2199の基本フォーマットはこれでほぼ完成したと言えるかもしれない。
この絵は部分的にモデルデータに反映され、いきなり商品化の流れに乗ってしまったみたいだけど、
DVD特典モデルのプラスイメージをアドバンテージととらえた売り込み戦略だったはずだし、
映像化された最終モデルと土台は共通であり、モデルイメージの変更やアレンジは狙ってなかったワケで、
先々のリスクは特に考えられていなかったと見られる。
そして、おそらくここがアニメとプラモデルの形状の分岐点。
新1/500宇宙戦艦ヤマト 暫定モデルデータ
プラモデル用データは、トータルでは別設計新造ヤマトではあるけど、
綿密な資産活用によって仕上げられた精巧なキメラでもある。
"DVD特典モデルに忠実な造形でそれそのものではない"...のかな。
自社の生産した形ですら流用を避けるほど、締め付けの厳しい開発現場の状況を考えるに、
今後のヤマト商品化は、さらに高度なキメラ処理を要求されることになるだろうね。
宇宙戦艦ヤマト2199 モデルデータ
一方アニメ版ヤマト2199にはアナログ資産の活用を軸に仕上げられたディテールが多く、
PS版ヤマト'98をリスペクトしたような形状合わせが見られる。
またプラモデル用データとは違い、3DCG下地にトレスしたモノではあるけどデザイン画が数点描かれ、
その形状の反映を実現している点で、基盤は同じでも新1/500とは趣向の異なるモデルデータと言えるだろう。
1/1000スケール宇宙戦艦ヤマト2199 側面図
最新解釈の新1/1000モデル。
解釈、というのは、このプラモデルが一見しただけでは判別できないほんのわずかながらも、野心的なモデルデータ改変を行っているため。
そう、商品化向けのモデルデータはアニメ本編とはリンクすることなく、ヤマトの正解追及は現在進行形で進められているのである。
商品同士100%同じ形にしないためなら格納庫の規格だけでも十分機能しているから、なおさらそう感じる。
とはいえ、三者三様の完成形を持つリメイクヤマトだけど、基本フォーマットが同一なので、見た目にまったく違和感は無い。
バンダイは映像イメージに準拠したヤマト(2199)立体造形商品化をついに成し遂げたのだ。
なにはともあれ、素直に喜ぶことにしよう。
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