[宇宙戦艦ヤマト]設定デザイン立体化完了
まずお断りしておきたいことは、この研究が「ヤマトのストレート立体化モデルはこの世に存在しない」ことを前提にしていること。
誰もが観賞可能で客観的に間違いないその造形が、過去に製作され現存している状況がどこかにあるのなら、
ヤマト研究室、てゆーかこのHP自体まったく意味の無いモノになってしまうため、(送り手の自作自演に気付かない世間知らずという意味でね)
これを見ている人には、現物は存在せずとも比較検証は出来る"架空のオブジェクト"くらいにとらえてほしい。
けっこう儚い感じのページなんだよココ。
この模型のあらましはフォトギャラリーに、詳細はトップページ[RESULT]に掲載。
ヤマト研究過程から何を発信するか
そもそもヤマト設定デザインのストレート立体化経験者にしか伝わらない(?)ようなテキストをひたすら打ち続けてきただけなので、
内容を整理したところで、見る人にとってどこら辺が明快になるモノか、余計理解に苦しむモノになるかはどうにもわからない。
模型を造る大変さとかもスッゴイ書きたいんだけど、自分は絵描きなんで、そこにウエイトを置く"製作記"では話の本題に入りにくい。
とにかくこの研究はどういう形になるのか、そこだけかいつまんで率直に書かせてもらう。
模型は研究成果の根拠
立体造形のキーワードとして挙げてきたふたつのタイトル
@宇宙戦艦ヤマト設定デザインストレート立体造形 |
@を過不足ないレベル(うーん...)に持ってこられたことで、研究はどうにかスタートラインに立つことができた。
この設定デザインを直接立体化すると[船]フォーマットの宇宙戦艦ヤマト三次元立体になる。
とにかく、コレが無いおかげで既製の立体ヤマトを考察する角度・基準が本質に乖離し、「イメージとは異なる」と揶揄される。
1/1300モデルには、商品価値的な評価目線を中和するためにも役立ってもらおう。
例えばこのDVD特典1/700プラモデル。
入手可能ルートにたまたま乗ってきたから比較対比して形状評価を下したけど、本来はそんなことをしていい筋合いの作品ではない。
そもそもこのヤマトは、個人が立体化したいイメージをプロの造形師に発注して製作されたモノ。
このモデルを正当に評価するなら、依頼者の注文通りの仕事がきちんと出来ているのか?を正確に取り上げることが望ましいが、
「側面形不恰好」「喫水線低過ぎ」「球状艦首はみ出し」「司令塔高過ぎ」など、無関係な不満点ばかり発信され放題。
自分も人のことを言える立場ではないけど、評価はテーマ通りに建前を張るのではなく、その作品に対して妥当であるに越したことはない。
Aに該当する品型が、研究の本命となる立体造形として正解認識される宇宙戦艦ヤマト像。
先に定義したように、「現行規格と見解に耐えうる確証となる根拠を元に作成されている三次元立体」になる。
長期的に実践され続けてきた立体化傾向から確実視できる正解の条件が、完全な形で共存しているモノを、
(完成形が[ロケット]フォーマットだとは限らないけど、コレも正解条件に等しいモノであることは確か)
イメージモデリング・キメラ工作・オレヤマトを排除した製作プロセスを策定し、立体化する。
ただし、コレに外すことの出来ない前提が加わる。
「宇宙戦艦ヤマトの設定デザインに忠実であり、それそのものではない」こと。
ファンの認める形だけに準拠していてもダメ。
当然プロが認める形にも準拠しなければ、正解ではありえない。(完成形クォリティを充足することが一番難しいんだけどね)
この前提、そもそも@の現物が存在しない状況下では、やりたい放題・やったモン勝ちで通用してしまい、
要するに完成形がどんな形でも、記号的に合っていれば作った側の言い分・解釈が絶対的に正しく、ファンの不満などヘリクツに過ぎなくなる。
反面、@が無いことで品型のどこに向けてでも無根拠・無作為に不可と判定を下してしまえる、三次元の視点からは本質の見えない解釈不能な縛りでもあり、
これだと、どれほど高い技術を凝らそうが経験値の備蓄を活用しようが、形の説得力なんか有って無いようなモノ。
いやでもね、作る側の目線に立ってみると、すごく切実なことがわかる。
金銭的価値を生まない崇高な指標なんて、送り手が自分に課せるワケないんだよ。
もっと穿った見方をすると、この前提は客が対価を払えるよう商品価値ドーピング(技術・ブランドによるモノ)を肯定させるための浸透が不可欠なトレンド発信だ。
作品を俯瞰するセンスを磨く時間があったら、一芸を結集して価値観を高める努力をしないと、競争相手はプロばかりじゃないから。
製品への思い入れが対価に反映することも、思い入れのある商品に対価を上積みすることもない今の世の中、
新製品になどむやみに手を出さず、再販による下支えで十分と判断されて当然なくらいなので、
新作作って売ってもらえるだけでも、ヤマトファンは感謝せねば。
だからこそ、いかなる批判も通用せず、しかもプロにとって"売れる確証"が見える宇宙戦艦ヤマト...
これがAの"最低"基準でなければいけないワケ。
これに該当するヤマトで、自分の心当たりは一つしかない。
考えるより、とにかくやるだけだけどね。
そして本題は...
現物が共存する比較
旧作デザインのヤマトと新解釈デザインのヤマトを対等比較しようとする場合、
設定デザインとストレート立体造形をそれぞれ用意して、デザイン同士・立体同士を比較したビジュアルを並列し、
画稿と立体の相互比較にしないこと。
これが新解釈への無作為なバッシングとか、旧作イメージ基準の偏見を生まない最善の形式だと思う。
新製品のデザイン面のアピールポイントや改善点を、ブレることなく伝えることができるし、
オレヤマトこだわりの形状を、客観的に評価する役にも立つはず。
設定画と新解釈立体の直接比較
コレはねー、事情がわかっている者同士ならこういうのもアリだろうけど、不特定多数に向けて発信するのは、なるべくやめたほうがいい一方通行で記号的な形式。
見る人に歪んだ価値観を植えかねないし、デザイナーや製作者の視点が置き去りになる。
モノを基準に価値観を分裂させてきた結果が"今"なんだよ。
@のヤマトが在れば、Aは誰でも具体的・客観的に検証できるので、(相応の造形レベルに達していなければダメだけど)
この二体の模型が双方向に比較可能な現物の形で共存する状態を提示できれば、
(設定デザインのヤマトはデジタル化できないため、3DCGによる実現は不可能)
その時こそ[真の正解]の本質をこちらから語っていいのかもしれないけど、それは遥かに先の話。
もちろん権利者が施行しなければ現実にどうなるのかまでは証明できないし、現状では自力で現物供給することくらいしかない。
現物をともなう架空のビジョンを、客観的立ち位置を維持したままで完成させるワケ。
このスタイルで[ヤマト]と[ヤマトの正解]の比較検証を目指す。
なんでそんなことをやる必要があるかって?
我々がね、自分が思っているほど目利きに長けてなどいないから、かな。
2199ヤマトの艦首波動砲を見て「波動砲はこんな形じゃないよ!カッコ悪ィ!!」とか思うだろ?
でも自分に言わせてもらえれば、ヤマトの波動砲孔をその形に引導したのは、ほかでもない
それを言ってる自分達なんだよ。
雑誌やネットの評価に相乗り否定・相乗り肯定しながら、送り手を惑わし続けておいて、
"まともなヤマト"はいずれ誰かが形にしてくれる...とか考えない方がいいよ。
なんか考えるほどに果てしない...
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