既製のヤマト立体造形から幾度となく発信されてきた「設定画通りに造形すると矛盾する」
という見解はすでに製作者サイドからもファンサイドからも認識済みではあると思う。
ここから読み取れるメッセージは"現状維持"。
今まで通り着眼点を変えながらイメージモデルを供給するスタイルは変わりそうにない。
宇宙戦艦ヤマト真の正解が手にしたければ自力でまかなうしか道はないようだ。
造形上のデザイン更新そのものがマイナス批評の対象となるカルト的存在感すら漂っているヤマトに
三次元形状について正解認識を後付けで持たせることは、もはや誰にもできないだろう。
それでもこれまでに表面化している正解認識から外れないよう徹底することはできる。
ここにポイントを集約すると見えてくる重要項目は
@艦首・艦尾のフォルムが映像上のイメージである。 |
個人の情報や好み(マイヤマト)はあくまでヤマトが最初にあることを前提とする次のステージと考える。
艦首・艦尾のフォルムが映像上のイメージである
設定画から引用した一例
既製品ではすでに金型が出来上がった修正不能な状態 |
ANALYZE |
側面形が初期三面図に準拠している
つまり完全なスケールモデル属性でなければならないということ。
いくらイメージを突き詰めてもそれはやはりイメージである。
メカデザインは実在する幻想であってこそ生きてくるモノ。
イメージモデルのまま形になったモノは、それがどれほど高いクオリティを獲得していようと、必ず見解は分裂する。
逆に、側面形を遵守したヤマトであれば必ず受け入れられるという確信と事実がある。
バンダイ1/700プラモデルが時を超えて支持されているのは、この側面形を有しているからこそだ。
ANALYZE |
艦橋構造物が大司令塔である
ヤマト司令塔にはふたつの形式がある。
艦体フォルムに合わせて仕上げられた外観連動型デザインと室内景観を想定して起こされた大司令塔デザイン。
映像上では描き分けられていても、ヤマトには大司令塔がそびえていることが見る側にとって自然な感覚である。
立体面では元々両者を混成したキメラ造形が採用されていたために統一感のないイメージだった。
現在は大司令塔を忠実に設計して立体化されるようになったが、肝心の艦体部分がスケールモデルから撤退してしまったため、
外観の統合は個人作例のみでの展開となっている。
この大司令塔搭載形式を完全なスケールモデルのフォーマットとして組み入れるのである。
左から1/500コズミックモデル・ポピニカ魂・1/350・スーパーメカニクス・超合金魂・新1/500各司令塔。
外形は微妙に異なるが、ポピニカ魂以降は大司令塔をベースに造形されているのがわかる。
ANALYZE |
デザイン上の特徴や確定要素を無意味に変更しない
要するに製作サイドの都合でコロコロ形を変えると突っ込み所を増やす一方だという意味。
絵を描くこととは質の異なる造形において、形を変えないことが製作プロセスに支障となるケースがあることは理解している。
それから、ヤマトを忠実に出力した立体造形を誰も見たことがない以上、
細部をどう解釈しようが、政治的事情で再現を制約されようが、それに異論するのは本意では無いけど、
製作サイドの日々の努力が筋彫りひとつ変えただけで全否定される時代である以上、ヤマトで冒険の必然性は排除するべき。
少なくとも設定画に描かれている解釈を変えようのない形については、加算も減算もやめてしまう。
混同するといけないのは、設定画に準拠していなくても問題視されない範囲について。
無作為に変更を加えて指摘を受ける箇所を増やすよりは、ヤマトのイメージとして整合しているとみなし、
形状を極力維持すべきかもしれない。
ANALYZE |
自分でも改造やスクラッチをやってみた経験を踏まえての提案だけど、これだけで十分ヤマトは真の正解に達すると思われる。
新たな規格を投入しないということは、これらの条件はすべて過去に提供済みの要素で構築し、
キメラ処理ではない方法でデザインの一本化を図る必要がある。
果たして、うまくいくだろうか?
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