アイテムの性格
ヤマトギャラリー零に展示されているもうひとつの巨大模型。
こちらは丸窓付きの仕切りに隔てられた室内に吊り下げる形でディスプレイされている。
大和ミュージアムに展示されていた頃の破損箇所は修理済み。
丸窓はクリアブルーのモノとスターシャがプリントされたモノとなっていて、普通に中を見ることはできず、
デジカメで撮影して間接的に画像を引き出している。
ただし、撮影は禁止されているので勝手に写真を撮ってはダメだよ。
艦首からの全景
両者を見比べると、アウトラインの大部分が重なるように見える。
同じ視角が整合するということは、同じ基盤で立体化されているということ。
この2mヤマトは三面図を設計ベースに製作されたモノと考えていい。
しかし、外観にはずいぶん差がある。
デザインラインの再現にまでは踏み込まなかったのかもしれない。
艦首外観
波動砲周りの造形は典型的旧モデルの形状。
フェアリーダーのアウトラインは三面図とは逆の傾斜で造形され、くびれた側面形を生んでいる。
ウォーターラインからのマイナス曲面はブルワーク境界線をスルーしていてボリュームの復元が遅く、
下半部のプラス曲面が三次曲線に移行しないまま艦体中央につながっている。
前上方から外観
艦体各所に浮き出たエッジは、三面図形状を整合させるための強引なスキン処理から来たモノと思われる。
写真には写ってないけど前甲板は狭く細長いレイアウトで、上半側面は司令塔基部ごとマイナス曲面を描く。
そこに艦体最大幅が差し掛かる形になり、完全に面構成が破綻している。
三次曲線が凸エッジになることで、艦首からのマイナス曲面が反発してあべこべに消化されてしまい、
あおりを受けたウォーターラインのテーパーが内側に折れ、球状艦首の絞り位置が二箇所に分裂していたりも。
これらの特徴は、単純な経年劣化とは考えにくい。
側面カット
自分の経験から思い当たることなんだけど、この模型は設定デザインをストレート立体化しようとした痕跡がある。
アニメ設定デザイン通りに立体化するとこの模型に見られるような形状の破綻が表面化すると指摘されたため、
その補正を要求したモノが精密設計図であり、2m巨大メカニックモデルということになるのだろうか?
完成形そのものは結果キメラ処理された様子だけど、ギャラリーに安置されたふたつの2mヤマトからは、
ここで出会えた興奮も、研究対象として接見できた喜びもおおいに獲得できたが、
ヤマトメジャー造形におけるストレート立体化を阻む、堅い障壁のような存在感も感じられた。
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