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宇宙戦艦ヤマトの比較用模型をレベルアップする |
具体的な基準もなくいきなり既製品の品評にシフトしても価値観が細分化していくだけで、
提供された品がどう優れているのか?という所を同じ既製品を目処にした進展具合を見るに終始してしまう。
設定画との突合せももちろん形式的に行われてはいるが、立体の評価に画稿を持ち出すのは筋違いのような気がしてならない。
そういう検証方法では商品としてとか作例としてとかではなく、宇宙戦艦ヤマトとして捉えた場合に、
その品型がどういう位置付けになるのか?という肝心の焦点がぼやけてしまい、
正解探しの妨げになる上精神衛生上良くないから、
とにかく価値判断の対象として吊り合うヤマトを用意(する努力は)してみようと思う。
幸い手元には以前ハンドメイドした1/700スケールヤマトの樹脂製コピーがある。
自分の腕前を考えると、再度組み立てに挑戦する機会に備えて材料はストックしておいたほうがいいと思い、
割り切ってガレージキット状態に落とし込んだものだ。
設定デザインをそのまま型取って造形したパーツ類ではあるが、大変残念な完成度のため、
ハイクオリティ・ハイディテールな既製品のヤマトと並べて比較するレベルにはない。
とりあえず自力でストレート組みした完成見本はこんな感じ。
この模型のあらましはフォトギャラリーにて
造形不足により、コピーパーツだけではヤマトのデザインフォーマットをカバーできてなくて、
この段階からさらに造り込む必要があるんだけど、
原型製作当時はガレージキットを触ったこともないのに闇雲に突っ走ったおかげでここまでやるだけもでいっぱいいっぱい。
今も状況はさほど変わらないが、以前より模型製作の腕は上がっている(かも)。
このコピーパーツを使い、あらためてヤマトを当初予定していた完成形まで追加工作してワンランクステップアップを目指す。
とは言うものの相手は樹脂の塊であり、どの程度手を加える余地があるか算段しにくいが、
アウトラインを踏襲するための加工を優先して工作を進めよう。
樹脂製のパーツをチェック
状態は極めて悪い。離型剤の付いているモノだけ表面がフラットになるまで洗って乾かしておく。
修理の難しい(てゆーか修理以前にコピーがヘタすぎる)パーツ、アップデートの大変なパーツは予備をコピーしておく。
足りないパーツはスクラッチして補充するのでプラ材を別に用意。準備はこれくらいでいいかな。では
艦体のレベルアップ
先端から後端まで一体成型した樹脂の塊。
模型作りにあまりなじみなかった原型製作時は、こうでもしないとデザインラインのつながり方が把握できなかった。
形を出す上でかなりの支障はあったものの、結果的にはヤマトのアウトラインを大きく崩すこともなくどうにか削り出せたように思う。
まずは全長40pほどもある模型なのでこれくらいはやっておかないと、と思われる理想の仕上がりを絵に描いておく。
原型の段階でここまでは一体で作りたかったんだけどコピーのことも念頭にあったので、フェアリーダーと後甲板は別パーツで製作した経緯がある。
案の定パーツ同士の噛み合わせが不十分で、組み立てに一苦労。原型では問題なくてもコピーは寸法に微妙な差が出るものらしい。
レベルアップの内容
@ ノズル・砲口を掘削してコーンやライフリングを作る。 |
もちろん他にも艦体表面のヒケ(ではないけど...)を埋めようとしてみたり、筋彫りしようとしてみたり、
バルジをヤスリ掛けしてカサを減らしてみたりしてるけど、あまり完成度に反映はしていないような...
いずれにせよ目的はヤマトの正解を出すことではないので、余計な加算や減算はしないべきかな。
ヤマト艦体パーツはこんな仕上がり
司令塔基部のレベルアップ
ヤマトの既製品でここを分割成型している例はないと思う。アウトラインは艦体と一体で抜いた方が簡単そうだが、
ヤマトのデザインラインを出そうとすると司令塔基部側面と艦体側面の面取りに妙な性格の違いがあって、
原型製作はつなげたままの方がかえって大変なことに気付き、途中で単体設計する方向に切り替えた。
仕上げ目標はイラストに描いた状態が目安。というのは、ここからは艦体と違ってパーツが小さい分加工が行き届かないから。
モノが樹脂の塊なこともあるけど1/700スケールは自分の技術的な限界を感じるサイズである。
原型では出せなかった形状を出せそうな箇所にギリギリ絞って手を入れる感じになるので、
加工した箇所としてない箇所の落差が大きくなるかも。
レベルアップの内容
@ 一番副砲の土台を円形に削り出す。 |
寸法・型取りが合っていても単純にプラ板の箱組みで出した形でしかなく、
おおざっぱなポリゴンモデルのようになってしまったパーツだ。
ここのデザインラインも艦体同様つかみどころのない曲面で構成されていて、どう考えても自分の造形センスでは追いつかない。
次回は原型から設計仕直しだね。
おおまかに加工し終わったら、0.3ミリ真鍮線の砲身を差し込んだ(だけの)対空砲台を所定の台数配置していく。
司令塔基部パーツはこんな仕上がり
艦橋構造物のレベルアップ
艦長室・第一・第二艦橋までの構成を一体で造形したコピーパーツ。
なにげに難解な形状をしているので絵もごまかし気味に描くことが多いけど、
加工のためにしっかり描き込んだモノ(三面図から直接見取り図を作成)を用意。
まあここまでやろうと思ったらもう一回1/350スケールに挑むしかないかも。
なにしろパーツが小さい上にデザインラインのつながり方が複雑で、
このままの状態ではもちろん、各部を分割して個別にいじるのもかなり無理そう。
あまり踏み込んだ処理はせず、足りないモノを補給するのみに止めようと思う。
レベルアップの内容
@ 艦橋前面にある単装機銃と足場をそれらしくスクラッチして取り付け。 |
艦橋自体の加工はこれくらいで切り上げ。形状の再現不足が目立つけど、
主要なアウトラインはだいたい網羅した(ということにしとこう)。
艦橋用付属品も軒並みスクラッチ。コスモレーダーをカーブ付きのモノに、
水平翼や艦長室のアンテナなどもプラ板のモノに差し替えるなどしてある。
対空砲の砲身は同じく0.3ミリ真鍮線を差し込んである(だけ)。
艦橋構造物パーツはこんな仕上がり
対空ミサイルランチャーのレベルアップ
型が合っているだけで大雑把な造りのパーツ。見た目は単純な箱型の建物だけど、断面形が接地面と射出口で異なり、
側面には微妙な面取りが必要でディテールもややこしく,、以外に形にするのが難しかった。
天面が断ち切りなのがお粗末。
レベルアップの内容
とりあえず原型製作では工作しなかった天面を掘り込んでミサイル射出口を造形し、
プラ板で射出口カバーを作って貼り付けてはみた。
しかし、それ以前に外形の粗雑さが目立つ。
アウトラインを完成するには原型から仕切り直さないと。
対空ミサイルランチャーパーツはこんな仕上がり
主砲・副砲のレベルアップ
レベルアップの内容
ストレート組みでは砲身を真鍮線で作ったけど、今回は砲口を空けるため、主砲9門をプラ棒にスゲ替えて製作。
欲を言えばキリがないけど、挽き物で揃えれば砲口に向けて絞られる砲身の径の再現なども可能なようだ。
ただ、手作りにこだわりたいのもあって
(決して先立つモノがないワケではなく、模型の出来に見合わない投資を自粛したとご理解いただきたいもの...)
これくらいで切り上げることにする。
副砲はストレート組みのものそのままで、真鍮線と真鍮パイプの組み合わせで作った砲身を挿してある。
主砲・副砲パーツはこんな仕上がり
第三艦橋のレベルアップ
レベルアップの内容
水平翼をプラ板に差し替えた以外は特に何もしていない。いじれる所がないワケではないが、コレよくできてると思う。
デザインラインがかなり正確に出ていて、面構成にもあまり過不足を感じない。表面は雑だけどそのまま使おう。
第三艦橋パーツはこんな仕上がり
末端パーツはこんな仕上がり
マストの芯柱のみコピーパーツを加工したモノで、他はすべてプラ製のスクラッチパーツに差し替えてある。
ここまで小さいと造形もかなり適当。取り付け具合の悪いパーツはプラ棒で補強したりなど、もう見た目より強度が先に来てしまうし。
カタパルトは外観設定合わせのまま取り付けることにした。このヤマトは一応クリンナップデザインの仕様。
完成したパーツは瞬間接着剤で貼り付け、細かいモノは真鍮線を介して挿し込み。ようやく...
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