IMAGE VIEWER | BACK |
アンドロメダ最終検証 |
ブループリントの示す方向性は確かに正解だった。
アンドロメダはPS1[アンドロメダ'99]に続き、リメイク版として再デザイン、モデリングされた。
旧デザインの先進ビジュアルとして評価は上々のようで、待望のプラモデルの方も
若干造形に干渉がありながらも、劇中イメージを達成したフォルムで完成されている。
本編ではアンドロメダの役回りを度外視した3Dライクな扱いになってしまったが、
先に検証することがあるので、そっちの方は触れないでおこう。
リメイク版アンドロメダ 前方パース図
リメイク版としての評価とは別に、アンドロメダとしてビジュアル的な整合性や完成度に着眼してみると、
批判的な意見はほとんどなく、立体造形についても新旧デザインに比較しての肯定的見解が多い。
前方パース主眼のビジュアルイメージに極端に偏った形状反映を目指す情勢の中、
満を持して登場した最大公約数的な形が技術的に構築されたリメイク版。
まさしく、正解を語ることにのみ注力した商品化傾向の極致というべきか。
せっかく現物があるんだから、この際リメイク観点とともに純粋にアンドロメダとしても語らせてもらおう。
ところで、自分は語っていい側の人間だと思う?
アンドロメダ ブループリント五面図
及び、リメイク版アンドロメダ五面図の比較
正面背面の固定に加えて旧デザインの側面形を反映する新たなアプローチも見られるリメイク五面。
ブループリント資産の既製アイテムのポテンシャルを示すとともに、形状不満点解消の他既製モデルのアプローチも生かし、
なおかつ、アンドロメダのイメージついて細かく解答を示しており、クオリティも高い。
公式非公式含めて、アンドロメダ単体としてはこれまでで最高の情報量を保有している。
アンドロメダ研究の果てにあるのは?
アンドロメダはヤマトの上位互換ポジションに相当し、単純明快に、”波動砲を連射できる宇宙戦艦ヤマト”という役回り。
劇中においては、想定のポテンシャルを上回る波動砲二門同時連射(4連射)という離れ業をやってしまい、
順当にイメージも想定の倍加されることに。
その後、主砲の射程距離がヤマトの波動砲と同じであるなど、さらなるハイスペックが示されるも、
波動砲のインパクトに対してなんらイメージ的補正を及ぼさず、アンドロメダ外形の印象は波動砲依存が確定している。
ブループリントがアンドロメダの立体デフォルトとなったことで、波動砲の口径は元のデザインより一回り大きいくらいのサイズになる。
デザインラインで比較すると、アンドロメダの方が口径でヤマトを上回るが、1/700モデル同士だとやや拮抗するくらいなはずのこのパートは、
モデリング上は波動砲口径が下方修正されているヤマトと、その時点の完成想定でも明確なサイズ差がついていたはずだ。
微妙な情報の掛け違えを孕みつつも、アンドロメダがブループリントのストレート立体化となったのは、このためだと想像する。
商品化の過程などはメーカーによって違いが出るように思うけど、アンドロメダに関しては、ブループリントデフォルトでの商品化が続いた。
ただ、ブループリントの提示した正解イメージが浸透したというよりは、
ストレート立体化でヤマトとのインパクト差がそのまま再現可能なフォーマットを、変更する方がむしろギャンブルなのか。
アプローチのたびに、時系列的にモデリングが波動砲拡張に偏ることよって、デザインラインのスケール比が壊れていく。
ファン目線からは、どちらかといえばそのことを歓迎する空気感だったような。
新旧艦艇比較各図
着目すべきは、何を比較したものなのか?である。
リメイク版が単純に全長を差し並べたモノなのに対し、
旧作は基準排水量をもとにしたスケール比の概算を提示している。
3DCG主体の仕事の弱点として”重量と規模が表現上釣り合わない”こともあるしね。
リメイク版の艦艇比較図を見て異常を感じる人は、潜在的にヤマトのデザインラインを直視しているタイプかも。
イメージの拡張によって発生するデザインラインの統一スケール比崩壊は、艦艇間サイズ差に表れてくる。
出来上がったデザインにサイズを設定することで矛盾を生むヤマトの轍を、今度はイメージを積んだ状態で踏んだことになるのかな。
これは波動砲やメインノズルだけではなく、艦橋・武装・艤装などスケール比の壊れたあらゆる互換要素が実寸に反発し、
デザイン相応の統一スケール比から大きく解離する。
コレ、送り手がワザと仕込まずとも、客観的な整合性を図ると不可抗力で発生するから。
リメイクアンドロメダ側面図を旧版まで縮小して比較すると、リメイク版でなぜこのサイズ設定なのかがわかると思う。
正解が示されたことにより、作品の青写真は正解に先導されることになる。
それが不都合を招いたとしても、正解の取り下げや削除はない。
送り手側は仕事と割り切り、付き従うのみだ。
ヤマトとアンドロメダのみの立体化が主眼だった時期は、表面化しなかったんだと思うけど、
モデリング先行のディフォルメ視点から、バランスの取れるデザインワークが可能なのか?
[2202]は、正解のみをひたむきに追及した結果を示してくれた格好だ。
リメイク版とストレート立体化モデルの比較
ブループリント五面図の画線を洗練し、正統性のあるビジョンを与えられて昇華した形であるリメイク版。
だがなんと実はこのプラモデルも、メインノズル口径完全互換の同一デフォルト。
現物見て驚く、だってコレ1/1000スケールなんだよ。
これまでの立体化の履歴は置いといて、直接見比べてのリメイク版の更新状態をコメントすると、
上下圧縮が掛けられた艦体は、今までのモデリングには見られなかった平べったい印象で、
それを際立たせるように、主要構造物のサイズが一律で縮小されている、となる。
これをブループリントベースで説明してみると、
全長を据え置きながら側面形のみ旧デザインを上書き、実質スケール比が縮小となる構造物のサイズには手を付けず、かな
表向きにはデザインの刷新焦点の発信しかなされないので、とてもこんな認識は通用しないだろうけど。
全体としてこれらの特徴は、波動砲孔の造形向上につながるモノで、イメージモデル的な設計思想に一切変更はないようだ。
狭い平面に厚みを増すヤマトと対照的なビジュアルになったのは、やはり因縁なのか・・・
あのさぁ、コレって本当に正解として望まれた形・・・でいいんだよね?
誤解されないように再度クギを差しておく。
統一スケール比崩壊は、作り手によって今発生したワケではない。
ヤマト発端のディフォルメイメージを土台として展開され、リメイク設定デザインはそこに建っているというだけ。
人によっては今が正解の基準でもあるので、古き良き云々では通らない。主旨が変わってしまうからね。
しかし、覆水盆に返らず、一度壊れたモノはもう取り返しがつかない。
壊れる前に!ただの一つでも形に還元されていれば、あるいは・・・
現状及び論点確認を終了し、この考察においては想定範囲内の結果を見たように思う、無念。
アンドロメダは単独のデザインでは懸案を解決し、比類なき存在感を獲得したが、
[宇宙戦艦ヤマト]の中核部にキズを与える存在にもなってしまった。
今はこの研究ページも現物も、そこにメスを入れるには非力過ぎるため、ここで一旦アンドロメダ研究ページは終了としたい。
いつか自作以外でもっとハイクオリティな客観的説得力のあるアンドロメダストレート立体化モデルが現れた時に、
このページを削除して、再考に取り掛かれればいいなぁ。
IMAGE VIEWER | BACK |