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改造プラモデルと設定デザイン |
1/700キット改造モデルようやくお披露目。
こうやって現物を用意するのはけっこう大変ではある。ただ、
研究内容の根拠を示すことと、自分自身が事の次第を知らなければ語りようが無いということもあるので、
ぼちぼち模型なんかも造りつつ進行を図りたいと思う。
メカ研究ページの構成材料なのでこんな扱いになるけど、
個人的には模型誌に掲載されている作例を自力で再現して飾るのは、実に喜ばしい。
その想いが伝わるような印象を持たれる書き込みができないのは不本意だけど、
研究するっていうのは結局そういうモノなのかもしれない。
1/700改造モデルサーフェイサー仕上げ
アップデートの方向性として実例を伴って示された核心部分の加工をほぼ踏襲した改造プラモ。
後は出来そうなディテールアップと塗装を残すのみの段階。完成はまだ先だけどね。
途中経過についていろいろ書きたいことはあるが、話の焦点が確実にズレるので製作記は割愛。
改造モデルとストレート組み
改造を実践してみると、アンドロメダに正解を求めるには、どう転んでもこのやり方にしか行き着かないことと、
改造前と改造後のふたつの作例は、ヤマトと同一の懸案を抱えていることを確認できた。
アニメ設定画二面図
設定デザインを基準に形状を見ると、側面形アウトラインに違いを感じるのはもとより、
平面形に大きくかけ離れたイメージがあることに気付く。
設定画では艦首から後方に向けてフレアするシルエットなのに対し、
プラモデルはそのデザインラインを相殺したフォルムになっている。
アンドロメダ想定上の立体はデザイン上、シャープな艦首から横に拡がりながら後方へ流れる艦体をイメージされていたようで、
艦幅をバルジで稼ぐ形のユニット配置が特徴的。
平面形に関しては自分の都合で形状を据え置いたワケではなく、
作例を提供した先人が誰一人として改修に言及していないため、ワザと手を加えなかった。("何もできなかった"とも言う)
着目して欲しいポイントは、実はヤマトと同じ構図が絡んだいきさつを持つこの部分。
商品化されたデザイン
立体化の対象となったのはアニメ設定デザインではなく、後発の修正図面である。
アンドロメダ設定デザインの三面図は他のメカデザインとは異なり、独立して描かれたモノはなく、
パースペクティブを取る際同時に起こされた簡易図面があるのみ。
側面図と平面図は整合性が低いため、信頼性の高い正面・背面図をキービジュアルとして、
ガイド調整で機械的に作図した、立体化への信頼性が高い五面図が提供された。
そのため、設定デザインをストレート立体化するという選択肢がアンドロメダには最初から無い。
アニメ作画用資料の画稿配置を再現
パースペクティブによる全景画稿に比べると目立たない絵だけど、
デザインラインは十分に備わっていて、四枚ある設定画との違和感はさほど感じない。
ただ、製作サイドからは図面としての信頼性に欠けるとみなされ、
ヤマト同様、参考程度の扱いに終始。
立体化には、デザイン性よりも機械的な整合性が求められるようである。
「さらば宇宙戦艦ヤマト」精密図解集 アンドロメダ五面図ブループリント
ブループリント五面図の原版。 |
精密図解集ブループリントのアップデート図面@
可動部設計のための微調整と、 |
精密図解集ブループリントのアップデート図面A
艦体設計の若干変更とアンテナ翼を大型化し、
ディテールの多くを省略しながらも、
見た目は原版そのもの。
今井化学製1/350キットの設計図。
残念ながら現物は持ってない。
設定デザインではなく、精密図解集当該図面をベースに立体化したプラモデルなので基本ラインの修正は必要無し、
などという考え方はなく、モデラーサイドが設定画の三面図を改造の指針に使用しているのは確かなようだ。
なぜ、イメージを加算するための改修工作が設定デザインから遠ざかるのか?
改造してみて確信を持ったことなんだけど、
アンドロメダはデザインラインに近づける加工をされているというよりも、手を加えると現状イメージから完全に脱落してしまうポイントがあって、
設定画イメージの上書きよりも、コレに関わる案件に踏み込まないために、避けて通るためのプロセスが組まれている。
だから、アンドロメダ作例は何度手掛けられても同じ答えを出してくるんだと思う。
映像のイメージ通りだと評価するのはメディア発信上仕方ないかもしれないけど、
感覚的に見てこのように修正することが設定画のイメージに近づくはずがないことくらい、
経験も技術も未熟な自分ですらわかるよ。
とりあえず、研究の核心に入る前にやるべきことをやっておこうかな。
備考 野村トーイ製アンドロメダ二面
現在までに商品化されたアンドロメダにおいて、外形の評価が最も高いアイテム。
ブループリント五面図とはフォーマットの違う設計で立体化されているけど、
造形の基本形式はまったく同じ。
バンダイ製のモノに比べて、幾分イメージの改修が進んだ感じのフォルムである。
残念ながら、コレも現物は所持していない。
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