本来ヤマト主力艦載機として配備される予定だったコスモゼロは、形状が複雑なため動画作成が難航。
作画作業軽減策として急きょ投入された代替案がこのブラックタイガーだ。
こういう経緯が語られているので額面通り受け取っている人がほとんどだと思う。
ところが、ブラックタイガーとコスモゼロを描きくらべてみると気が付くだろうけど、実作業で比較すると簡略化といってもそれほど大きな差はないのである。
ブラックタイガーを戦闘機として捉える分には・・・ね。
作画効率に決定的に影響するのは、素材をどう意識するか?だ。
手作業というのは感性なので、先天的にメカよりもキャラを描くのに向いている。
ブラックタイガーは描きやすいメカとしてではなく、顔を持ち制服を着たキャラクターとして提供された、いわゆるスーパーロボット。
これが現場を鑑みて編み出される作画効率化アイデアだ。
状況に応じて表情も変わるのが当時のメカ。
最初から表情のない現在のメカデザインとは印象がだいぶ違う。
単純に担当箇所を請け負えばいい時代ではなかった当時のデザイナーの仕事観は、ヤマト設定画のあちこちから読み取れる。
いわばブラックタイガーもひとつの”失われた感性”かもね。
このブラックタイガーモデルは、ストレート立体化した形がどんな顔つきをしているかがわかるように作ったモノ。
警戒心と好奇心が50:50といった面持かな。
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